アロハシャツの歴史 -誕生からデザインの変遷まで-

アロハシャツは日本人が作ったのが起源だとよく言われますが、いつどのようにしてアロハシャツが誕生したのか、その詳細について知ってる人は少ないんじゃないでしょうか?

アロハシャツ好きとしては知っておかないとだめだろうということで、アロハシャツがどのようにして誕生したのかを調べました。

どのようにしてアロハシャツが誕生したのか

古代のハワイ人は木の皮からタパと呼ばれる布を作り、それで衣服を作っていて、いわゆるシャツというものはありませんでした。※ちなみにこのタパの布は今でもハワイでお土産ものとして売られているようです。

それが18世紀にイギリスのクック船長がカウアイ島に到着したときに、島に伝わったのがハワイに伝わった最初のシャツです。

その後そのシャツは『パラカ』という名前で呼ばれるようになり、日本人を含む開拓民の農園労働者たちが作業着として着るようになります。見るとわかりますが、チェックの開襟のシャツです。青いチェック柄の木綿で作られたそのシャツは日本人になじみの深いかすりに似ていたこともあって日本人にも浸透します。このパラカシャツが今のアロハシャツの原型と言われています。

パラカシャツをサンサーフが復刻したもの。なんとなく日本風な雰囲気がある気がします。

アロハシャツの起源ともいわれるパラカシャツとは

アロハシャツの発祥についてはいくつかの説があります。
有名な説の一つは、移民が日本から持ってきた着物や浴衣が古くなるとそれを使って(布団という説もあり)子供用にバラカ風のシャツを作ったものがアロハシャツの起源だというものです。

※これには諸説あり、キモノが起源ではないという説もあります。
あなたの知らないアロハシャツの歴史-アロハシャツのキモノ起源説は本当か?

起源の詳細はさておき、アロハシャツが誕生した後、その独自の色と柄は現地の人々に新鮮に映り、日本人や中国人の仕立て屋が日本から布地を輸入してシャツを作るようになり、ホノルルには多くの仕立て屋や呉服店があったそうです。
『アロハシャツ』という言葉を初めて新聞広告で使ったのが日系人の仕立て屋の一つ『ムサシヤ・ショーテン』。地元の若者の間でもこのシャツは流行し、それを見たアメリカからの旅行者にも土産物としてアロハシャツは流行しました。

当時のアロハシャツの生地を製作、輸出していたのはなんと主に日本でした。

当時円が安く質の良い生地を安価に仕入れることができたことに加え、大量ロットでしか注文を受けないアメリカ製生地に対して、日本の生地メーカーは少量のロットでも輸出に対応したことがその理由です。

染物や織物の中心地である京都や大阪はアロハシャツの生地の重要な産地でした。ハワイらしいトロピカルな生地の柄の中には日本でデザインされたものもあったようです。それがハワイに輸入されアロハシャツが作られていました。
アロハシャツの発展の歴史には日系人だけでなく、日本という国も深くかかわっていたことが分かります。

今現在日本製の生地を使ってハワイで作られているアロハシャツはほぼありません。なんだかもったいないですね。

アロハシャツのデザインの変遷

アロハシャツは今ではいろいろなデザインがありますが、柄によって戦前から存在するような柄と比較的新しい柄(といっても数十年前ですが)があります。

アロハシャツ流行の背景には観光地としてのハワイの発展が大きいです。1927年のサンフランシスコからホノルルへの客船が就航してから、ハワイへの観光客が増加していきます。戦時中はハワイは米軍の基地として、戦後は飛行機の発展によりさらに観光客は増加していきました。

最初は和柄が中心だったアロハシャツも、アメリカからの観光客の増加に従い、1938年ごろからカヌーやヤシの木、ダイヤモンドヘッドやハイビスカス、サーファーなどハワイをモチーフにしたトロピカルなデザインがメインになっていきます。

総柄『オールオーバーパターン』のアロハシャツ

絵柄の配置にも独創的なものが生み出されていきます。アロハシャツが生まれた初期のころは総柄『オールオーバーパターン』と呼ばれるシャツ全体に一定の柄が繰り返し連続するデザインが主流でした。

これは現在でもよくあるタイプの柄です。見た目は派手でも着てみると馴染みやすく、ジーンズにも似合うタイプの柄だと思います。

オールオーバーパターン(総柄)のアロハシャツについては別記事でもまとめているのでこちらをどうぞ。
基本の一枚『オールオーバーパターン(総柄)』のアロハシャツ

『ボーダーパターン』のアロハシャツ

その後年月を重ねるごとに『オールオーバーパターン』のモチーフのサイズが徐々に大きくなっていきます。1940年後期にはより派手なデザインとして『ボーダーパターン』が生まれます。『ボーダーパターン』は『オールオーバーパターン』と比べると、絵柄を垂直方向に配置する必要があるため、裁断や縫製に手間がかかります。
ボーダーパターンは縦の線が入るのですらっとした印象になります。

ボーダー柄のアロハシャツについては別記事でもまとめているのでこちらをどうぞ。
着やすいデザインかつ定番『ボーダー柄』のアロハシャツ

よりインパクトのあるデザインのアロハシャツ

アロハシャツの最盛期1950年代にはさらに主張の強いデザインとして、シャツ全体で1枚の絵のように見える『ホリゾンタル・パターン』や背中前面を一枚のキャンパスに見立てた『バックパネル・パターン』、デフォルメしたデザインではなく、より写真のような『ピクチャープリント』など様々なデザインが増えていきました。

バックパネルパターンやピクチャーパターンのアロハシャツについては別記事でもまとめているのでこちらをどうぞ。

背中にど派手なデザインを『バックパネル・パターン』のアロハシャツ 『ピクチャープリント』のアロハシャツ -50年以上前にどうやって印刷した?-

そのほかにもデザイナーたちは個性的案デザインを生み出します。有名なテキスタイルデザイナーの一人にジョン・メイグスがいる。彼はフランス画家ゴーギャンの版画作品の一部をコラージュした『ゴーギャン・ウッドカット』を考案しました。その斬新な柄は今の時代でもなお新しく映ります。アロハシャツだけでなくムームーやドレスにもこの柄は使われています。

ゴーギャンウッドカットは人気のある柄で、復刻されてもすぐ売り切れてしまいますね。

アロハシャツの柄はこうして色々なパターンのものが生まれてきました。現代でも新しいプリントの技術を生かして当時は実現不可能だった様々なデザインのアロハシャツが生まれています。
いろいろ見てるとまた新しいアロハシャツ欲しくなってきた。

参考著書:

ニック加藤のハワイアンシャツ 河出書房新社
LAND OF ALOHA 朝日新聞社

アロハシャツのブランドについての紹介はこちら。おすすめできるものだけ厳選してまとめているので良ければどうぞ。
コナベイハワイ製アロハシャツ本当にそのアロハシャツで満足?アロハ好き必見!厳選ブランド12選